八丈方言(八丈語)
東京の南に浮かぶ伊豆諸島。その中のひとつに八丈島があります。東京都に属するこの島は、高温多湿な気候から「東京都亜熱帯区」とも呼ばれています。常に自然と寄り添いながら文化を築いてきた八丈島の人々が、美しい自然とともに未来に残そうと思っているもの。それはこの島特有の言葉「八丈語」です。
荒々しい風が吹き付ける八丈島では、風に関する言葉が発達してきました。島の人々は北東の風を「ナリヤー」と呼び、北西の風を「コオムラ」と呼んできました。風に対する独特の感性が言葉にも現れているというわけです。長い年月をかけて育まれてきた島言葉は、島の気候や風土、人々のゆったりとした気質を伝える、祖先からの贈り物です。