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このサイトについて

真に豊かで平和な世界・社会の実現を希求する際に、持続可能な開発のための視点として「生物多様性」の保全という指標は人口に膾炙していますが、「文化多様 性」あるいは「言語多様性」について言及されることはあまり多くありません。

現在、世界では6,000から7,000のことばが話されていると言われていますが、今世紀中に約半分から9割の言語が失われ、これに付帯する諸文化も消滅の危機に瀕していると考えられています。
世界の様々な民族が長い歴史の中で培ってきた文化と、これを支える言語とは、人類が持つ豊かな可能性の表れであり、それを失うことは多様な発展性を狭めると同時に、世界各地における多様性に富んだ文化の本質を解明するための手掛りを無くしてしまうことにもなります。

2009 年のユネスコ(国連教育科学文化機関)の発表によれば、世界で約2,500の言語が消滅の危機に晒されているとの調査結果があきらかにされました。
この内、日本ではアイヌ語が最も危険な状態にある言語として「(消滅に近い)極めて深刻」な危惧区分に分類されたほか、八重山、与那国のことばを「重大な危険」、沖縄、国頭、宮古、奄美、八丈のことばを「危険」という危惧区分に分類しています。
我が国には、各地域に多様で豊かな文化が存在し、その厚みが日本文化全体の豊かさの基盤をなしています。これは各地域それぞれにおいて継承されてきたことばや所作・振る舞い・慣習の積み重ねであり、遠き祖先の代から連綿と伝えられてきた宝物とも言うべき諸々の地域文化を失うことは、日本文化全体の衰退と同義であると言わざるを得ません。

今日の日本ではTVを筆頭とするマスメディアによる共通語の浸透、都市圏の拡大と中山間地域の過疎化、全国的な核家族化や地域コミュニティの衰退などにより、地域文化の継承はより困難な環境に置かれ、伝統的な方言等は急速に失われています。伝統的な方言の衰退が意識されるようになるにつれ、自分たちの「方言」を見直そうという機運が各地で高まっています。
奄美の「方言」は消滅の危機にさらされている「ことば」の一つですが、与論島における取組がきっかけとなって平成19年より「大島地区文化協会連絡協議会」が主体となり、2月18日を『方言の日』と定め、奄美群島それぞれの地域で「ことば」や文化を保存・継承していくための様々なイベントや行事などが行われています。

このサイトは、文化の豊かさ・多様性の重要な一翼を担っている「方言」について、子どもたちの興味を喚起し、自分たちの地域に対する理解を深めるとともに、家族や地域社会を構成する一員としての自覚と郷土愛の醸成を促し、共有のタームである「方言」の果たしている役割を学んでいくことを目的としています。
さらに、消滅の危機にさらされている言語の存在を知ることで、自分たちの地域の「ことば」を大切にしようとするモチベーションを高めるとともに、他の地域の「ことば」や文化の存在を認め、尊重する意識や態度の涵養を図ることを目的としています。
このような目的のもと、全国各地に在って地域固有の文化・風土を伝える「方言」の価値を、普段意識しないまま使っている子どもたち自身が「再発見」する契機となり、共通語や敬語を自覚的に使い分けることができるようになると同時に、家庭・地域・学校が、有機的に結び合うきっかけの一助ともなる「学びの場」となるよう制作致しました。

方言や地域文化についての学習教材として、あるいは持続可能な開発のための教育教材として、自由に活用して頂ければと願っています。

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  • このWebコンテンツは、財団法人奄美文化財団が、平成23年度子どもゆめ基金(独立行政法人 国立青少年教育振興機構)の助成金の交付を受けて制作したものです。
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